2019年4月13日土曜日

モントリオールのメトロに風が吹く






モントリオールで初めてメトロに乗った時、車両が走り始めると前方車両方向から風が吹いてきた。暑くもないのに誰かが窓を開けているのかと思った。そして、次の駅に近づいて車両が減速すると、こんどは後方車両方向から風が吹いてきた。こんなことを何度か繰り返していると、ハタと気が付いた。これは、中学生のころ習った慣性の法則の実験みたいだと。私たちが乗っていた車両は新型車両の様で、連結部分にドアが無い、先頭車両から最後尾まで筒抜け状態の車両でした。そのため、車両が発車すると車内の空気はそこにとどまろうとし、車体と人間は動き出す。要は人間が、そこにとどまろうとしている空気にぶつかっていくわけです。車両が減速すると、今度は止まろうとしている人間に、動こうとしている空気がぶつかってくるわけです。別路線の旧型車両にも乗りましたが、車両ごとに区切られているため、そのような現象は起こりませんでした。ちなみに、トロントでも、モントリオールの新型車両と似たタイプのメトロに乗りましたが、風は吹きませんでした。なぜなら、走行スピードが遅いから。モントリオールの新型メトロは、急加速、急減速で女性の髪がなびくほどの風が吹くのです。車両を製造しているのは中型旅客機製造有名なボンバルディア社で、強力なモーターとゴム製の車輪があるからのなせる技だと思います。地元の人たちは慣れているのか別に気にも留めない様子でしたが、私は、これはモントリオールの名物になるのではないのかと秘かに思っている。

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