1月31日に常陸大宮で行われたシンポジウム、「再葬墓と人面付土器のふしぎ」のなかでも取り上げられたことがらなのですが、この泉坂下遺跡から出土した「いずみ」の「口」について考えてみたいと思います。これについて私に啓示を与えてくれたのが、ある著作の中に引用されていた白川静さんの文章でした。書き出してみます。「文字が作られた契機のうち、最も重要なことは、ことばのもつ呪的な機能を、そこに定着し永久化することであった」。これを参考にすれば、「いずみ」の口は、ある重要な意味をもつ、そして、当時の人々にはこの「口」のカタチを見れば誰でも理解できる、「ことば」、「歌」、あるいは「叫び」、などを土器に定着したのではないかと考えたのです。
これらのことは、考古学的証明は困難なことですが、縄文時代の土偶の「口」の表現からも、なにかを語りかけているように思えるのです。
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