2009年3月20日金曜日

茨城の前期古墳を概観して 3

水戸地区の前期古墳には、安土星古墳のほか

旧内原町に有る牛伏古墳群中の牛伏17号古墳

が有ります。   簡単な調査は行われている様

ですが、墳形により前期と云う事になっています。

後円部西方向きは、県北前期古墳中では特異

な存在かもしれません。

ここは公園化されていて、他の古墳なども観察

しやすいです。

この旧内原町地区には、コロニーや杉崎等の

古墳群も有り、水戸市街に有る中期古墳の

愛宕山古墳や台渡里廃寺跡などとの関連も

興味深いですね。

そのほか水戸地区には、大場町に大場天神山古墳

が有ります。茨城県では今のところ唯一の三角縁

神獣鏡片が出土しています。

この古墳は前方後円墳となっていますが、採土工事

のため変形し、調査などもされていないので明細は

不明です。鏡片は、ひたちなか市埋蔵文化財センターで

見ることが出来ます。

近くには大串貝塚が有り、古代から暮らしやすい場所

だったんですね。

古墳に限らず、遺跡を観察するさいに当時の地形を

イメージすると、より意味深いものが湧いてくるかも

しれません。当時は、内陸まで海が進入し、河川も

とくに、河口付近は堆積物も少なく、舟を中心とした

流通が活発に行われていたのではないでしょうか。

それらを、各地において掌握したのが、前期古墳の

被葬者なのではないでしょうか。

大場天神山古墳の対岸と位置する大洗町に、推定

築造順に坊主山、鏡塚(日下ヶ塚)、車塚の各古墳

が、那珂川、涸沼の河口及び太平洋を見下ろす高台

に作られています。

坊主山古墳は、未調査、埴輪等は今の所なし。

鏡塚古墳は、昭和24年に発掘調査されている。

車塚古墳は、県内最大の円墳となっています。

他にも古墳が有った様ですが、多くの遺跡が有る

大洗町は、注目ですね。

余談ですが、車塚古墳の裾部に朝臣名の入った

曰くありげな墓石が有り、それらを見るのも一興です。

それから、昨年末に行った鹿嶋市に有る茨城で最大級

の古墳群でも有る、宮中野古墳群。

その中の、伊勢山(お伊勢山)古墳も観察しました。

苦労しましたね。

ここの、古墳群最大の夫婦塚古墳はボランテイアの方の

力もあって手入れされていますが、他の古墳は篠竹を

主とする深い藪の中です。

築造場所を見てみると、北浦の入口、間近に太平洋が有り

鹿島神宮の存在も考え合わせると、西方から進入してきた

開拓者(侵略者)の前進基地だったのか?

いずれにしろ、今のままでは残念です。



以上、県北を中心に前期古墳を観察してきました。

とりとめのない表現になってしましましたが、今年も

残りの霞ヶ浦地区、県南地区の前期古墳を見て

レポートして行きたいと思います。

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