常陸太田市松栄町の香仙寺にある直牒洞を筆頭に、周辺に善光寺横穴墓群などがあることは知られていることです。
私的な調査と常陸太田市教育委員会との調査で、香仙寺の北側500mほど先にある、花房町青木地区の公民館の、西側から南側にかけての丘陵に多くの横穴墓や古墳の可能性があるマウンドがあることが分かりました。 これらが集中してあるこの地域の字名が青木で、地元の方達がこれを「アオキ」ではなく「オーキ」と呼称していることについて、以前妄想を開陳しました。 結論を言えば、奥津城(オクツキ)が変化して青木(オーキ)になったのではと単純に妄想したのですが、以下にそれを補完する書物がありました。
2015年3月30日初版発行
沖縄の民俗学者 仲松 弥秀氏と谷川 健一氏の先行研究を参考にして、「青」が古い時代には墓地・葬地を指す言葉だった、ことを立証するために地名の分析を行ったという内容です。 東北から沖縄まで、青木、青柳、青山、青島、青野などの、地名を追いかけ、足で歩いて、見て、聞いて、調べてを解説している一書です。
とりわけ、茨城県については多くの調査がなされ、
○稲敷市阿波字青木 ○行方市四鹿字青木台 ○鉾田市梶山字青木
○水戸市国井町字青木下 ○石岡市青田 ○石岡市上青柳・下青柳
○鹿嶋市青塚 ○桜川市青木 ○桜川市青柳
○つくばみらい市青木 ○取手市青柳 ○行方市青沼
○常陸太田市花房町青木 ○ひたちなか市馬渡旧青塚村 ○鉾田市青柳
○鉾田市青山 ○水戸市青柳 ○阿見町青宿
○境町伏木青木 ○城里町上青山・下青山 ○城里町上入野字青木
○下妻市大木(古くは青木) などが取り上げられていて、ふう~んなるほど面白いと、私は思いました。 ただこの本、9年前に刊行されていて、あまり注目されていないような気がします。
研究者の方達は、この手の本は敬遠するのかもしれませんが、興味を覚えた方は、どうぞご一読を!
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