2022年9月7日水曜日

山田川から眺める 10







 薬谷堰から北方向へ200mほどの所に、近津神社があります。 最近はこの付近にも住宅が建て込んできました。 そのさい、残念ながら調査はほとんどされていないようです。

この神社の境内では土器類が拾えますし、私は過去に双孔円板を拾ったことがあります。

国土地理院の治水地形分類図を見てみると、時代によってこの地点の山田川の流れが変化していることが分かるわけですが、この薬谷町の近津神社付近では流れが大きく屈曲して、薬谷の台地に沿うように流れていることが見えています。 この流れが古墳時代でも同様な流れだったかは不明なわけですが、薬谷の台地の状況と山田川との関係性を見てみると、現状と大幅な違いはなかったのではないのかなと推測したいです。

そうすると、薬谷の台地と川が密接に接触して、さらに流路が屈曲しているため流れが穏やかになり、この近津神社付近に長者屋敷遺跡とも関係性がある、河川港あるいは船着き場が存在した可能性を提示したいです。 現状この付近の川岸は、画像4、5段目のように藪に覆われています。

10年ほど前ですか、近津神社境内と山田川の川べりを見てみたことがありました。 川岸にはステップ状の足場があり、その時は野菜でも洗うための足場なのかなと思ったものでした。 もちろん、この足場に見える地点は、近世に造作されたものでしょう。

当時、河川港あるいは船着き場が有ったとしても、川による浸食作用によって、その痕跡が残っている可能性は少ないでしょうね。


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