2021年8月14日土曜日

辰之口分江全図




 知り合いのI氏からの情報で、この「辰之口分江全図」が常陸大宮市で購入できると分かり手に入れてみました。 この図は、嘉永六年(1853)に郡奉行堰元係の加藤寛斎が、絵師の黒沢水玉軒に作成させた、辰ノ口用水の全図です。 今の行政区からすれば、辰ノ口は常陸大宮市ですが、この図では、大里村をはじめ薬谷、藤田、中野、島、小島などの、今の常陸太田市の地域が大部分で、今でもこれらの田園地帯がその恩恵にあずかっているわけです。

そしてこの図は、辰ノ口から複雑に伸びている水路だけではなく、道路と久慈川支流に架かる橋も描かれています。それが見たかったんです。 ただ残念なことは、図の中の小さな文字が読めません。 下段画像は、梵天山古墳がある島町付近です。

もう一つ、この図を作成した黒沢水玉軒は、上岩瀬村の組頭でもあったそうですが、自分の足で歩いてこれだけの絵図を描いたということは、フィルドー・ワークの達人で使命感のある人物だったのでしょうね。

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